「夜になると遅くて動画が止まる。オンラインの画像が固まる」
「スマホの場合だと、Wi-Fiを切ってスマホの4Gで接続した方が速い」
ひかり回線を使っている人から、「インターネットが遅いんですけど」と相談をうけることがよくあります。
本来、現在の主流となっている各社の「最大1Gbpsの光回線のスピード」はベストエフォート(理論上の計算上での最速値)とは書いてありますが、昔に比べたら各段に速いはずです。
にも関わらず、速度が遅いというのなぜでしょうか。
結論から言いますと、あなたの光回線が遅いとしたら、原因はずばり次の4つです。
原因1:LANケーブルのせいです。規格が古い、または古くて断線しかかっている。
「LANケーブル」って何でしょう?
Local Area Network ローカルネットワーク 日本語で言えば、「構内通信網」
一つの建物の中(会社・学校・工場など)で、通信を網のように張り巡らす線といった感じですね。
個人の家のなかでは、ネットワークっというほどでは全くなく、モデムからWiFiルーターへのケーブル1本しか使いません。
このLANケーブルはデータの通り道です。
①古い規格のものはたくさんのデータを通すことが出来ません。
②LANケーブルは半ば消耗品です。使っている間に接続部分が抜けかかったり、断線しかかっているケースがよくあります。
こんなLANケーブルを使っていると、今まで調子よかったのに急に遅くなったり、上りは速いのに下りが絶望的に遅いといった現象が起こります。
(たびたび、こういった現象が出る場合、かなりの確率でLANケーブルが原因です)
まずはLANケーブルを新しいものに交換してみるのは効果大です。
その際、ちゃんとしたメーカーの上位規格のLANケーブルを選びましょう。
1)サンワサプライ
2)エレコム
3)バッファロー
以上のような大手のケーブルなら間違いありません。 安いからと言って、ネットでノーブランドなどを買わないように!
次にLANケーブルの規格ですが、下の図を見てください。右のカテゴリーに行くほど性能が高くなっています(当然、値段も高いですが)
パッケージに規格が書いてあるので、確認して買いましょう。
LANケーブルは通信速度・周波数などの違いにより、規格と呼ばれるカテゴリに分類されています。
数字が大きくなればなるほど通信速度が速く、伝送帯域が広くなります。
一般的な1Gbpsの光回線を契約しているなら「カテゴリー6以上のLANケーブル」
10Gbpsの光回線を契約しているなら「カテゴリー7以上のLANケーブル」をお勧めします。
原因2:ルーターの性能が低い場合は回線速度が遅くなります。
ルーターの性能が低い。つまり十分なデータ伝送キャパシティーが無いと実質の回線速度は遅くなります。
WiFiルーターには規格があります。
通信速度に影響する重要なポイントです。auひかり・ソフトバンク光などをはじめとする光回線の通信速度は最大1Gbpsであるのが主流で、光回線のスペックを引き出すには、最新の規格に対応したWi-Fiルーターを使うことをおすすめします。
WiFiルーターの各規格の最大通信速度は以下の通りです。
規 格 | 速 度 |
① IEEE802.11ax(Wi-Fi6) | 9.6Gbps |
② IEEE802.11ac(Wi-Fi5) | 6.9Gbps |
③ IEEE802.11n(Wi-Fi4) | 600Mbps(0.6Gbps) |
④ IEEE802.11g | 54Mbps(0.054Gbps) |
⑤ IEEE802.11a | 54Mbps(0.054Gbps) |
⑥ IEEE802.11b | 11Mbps(0.011Gbps) |
11nからは一般に判りやすいように「Wi-Fi4」「Wi-Fi5」「Wi-Fi6」の表記がされています。
③より下位の規格では、現在の光通信のスペックである1Gbps(1000Mbps)を下回っており、十分な通信速度が出ない事になります。
1Gbps(1000Mbps)と言っても、理論値でありまして実際はそんな速度は出ないので、100Mbpsも出れば十分なんで③の11n(Wi-Fi4)でもOKですけど、やっぱり余裕はあったほうがいいですね。
最近では、10Gbpsの光回線も出てきており通信性能を引き出すためには、Wi-Fiルーター規格は11ac以上であるのが理想的です。
※11axは最新規格で、最終スペックが固まるのは2014年2月頃と言われています。なのでまだ対応機器が少ないようです。
ATERMのハイエンドモデル
ATETMのミドルグレードモデル
ATETMのベーシックグレードモデル
原因3:「IPv6(IPoE)通信」を使っていない
いきなりIPv6と言われても戸惑いますが、これは最新の通信規格なんです。
世の中のインターネットは従来の「IPv4(PPPoE)通信」のままになっています。
ここで、Ipv4とIpv6の違いを説明します。
大きな違いは割り当てられるIPアドレスの数の違いです。
規格名 | 読み方 | IPアドレスの割当数 |
Ipv4 | internet Protocol Ver.4 | 42億9496万7296個 |
Ipv6 | internet Protocol Ver.6 | 約340澗(かん) 340兆の1兆倍の1兆倍 |
IPアドレスっていうのは、インターネット上の住所みたいなものです。これが無いと、どこにデータを送っていいかわからないのです。
世界の人口は80億人くらいですから、そのうちの3分の一くらいの人がインターネットにつないだり、最近はいろんな機械がネットにつながりますから、Ipv4の規格だと足りなくなってきます。
・Ipv4とIpv6で、通信速度は変わりません。
・Ipv6は混雑に強い規格なんです。→ みんなが使いだす夜にIPアドレスを割り当てるときも、たくさん番地があるからスムーズに割り当てができます。
一方、Ipv4の場合は番地の手持ちが少ないので割り振りに手間取り、もたもたしてしまうので、結果遅くなってしまいます。
ココに注意
「IPv4(PPPoE)通信」は最大200Mbpsしか出ないため、最大1Gbpsの光回線の能力をまったく発揮できません。
かといって、Ipv4規格の通信がダメという訳では全くありません。もともと、最大1Gbpsの帯域は、メインのケーブルから各家庭のONUまでの理論値です。
それ以降のONUの性能、LANケーブルの性能、WiFiルーターの性能が追いつかないので、1Gbpsなんて実際は出ないのです。
また、実際のネットでの使用は100Mbpsも出れば十分です。ネットワークゲームでも全く問題が無い訳です。
ただ、Ipv4規格は1世代前の規格で、回線の混雑時の問題をクリアにできていません。夜間ユーザーが増えてトラフィックが上がってくると、回線は遅くなります。いったん遅くなりだすとなかなか元に戻りません。
これを解決した新規格がIpv6です。これですと、混雑した経路をすり抜けて接続していくので、回線速度はほぼ維持できます。
回線会社を乗り換える
回線各社は自前の設備を用意して接続のサービスを行っていますが